エステート

kr22005-09-30

不動産屋というのは限りなく建築家に近いと思う。

新しい土地で住居を探す場合、不動産屋に行き希望する条件を基にあるデータベースから情報を検索し自分にとってよい物件を探りあてるという行為をするけれど、やはり現地を訪れてみないと本当に自分にフィットしているのかどうかはわからない。往々にして希望の条件というものは困難なものが多いためむしろ落胆することが多いといえる。そういう意味でデータベース検索システムで完結してしまう希望条件よりも自分の住みたい場所のイメージを共有してくれるホストほど便利で安心できるものはないしさらに言葉には表すことの困難な価値観まで共有してくれる担当者ほど頼れるものはないと思う。
これまでの引っ越しでは町を歩き気に入った物件から逆に不動産屋を割り出していくといった面倒な手順を踏むことが多かったけれど、あまりに物件が多すぎる都会ではなかなか効率よくまわれないしどこかでもっとフィットする環境があるのではないかと終わることのない行脚に陥ってしまう気がする。今回はそういった無数の部分から核心を探索していく方法はとらずに心地よくコミュニケーションできる不動産屋を効率よく探そうと思う。


仮設足場を見ていると、部分から全体が構築されていく様が具象としての部分の細部からも感じられてよりリアルに構築という単語に実感がもてる。ある高さを持ち始めると薄い奥行きのない建築みたいだ。