六角

kr22006-01-07

近代日本の芸術運動に欠かすことの出来ない人物にまつわる美術館へ。
内藤廣設計。
PCコンクリートの小屋組によって実現された長大な桁行きとさらに長く押し出された切り妻の連続する内部風景は一見巨大でスケールアウト気味ではあるが、完璧な美しさと厳しさをあわせもった周囲の自然環境の中で建築としての象徴性をわかりやすく提示させるという意味では成功した建築であるだろう。この切妻は、厳密にいうと洋小屋組である。つまりこの建築は西洋の構造によって成立させられた日本的家の原型「イエガタ」の表象であり、和洋を渡り歩いた岡倉天心の生き様を和洋折衷という位置に据え置けばこそ得られた回答である、という文句の着けようのない分かり易さを持っているから間違いなく僕は好きだ。

牧野富太郎記念館と類似した敷地形状。