紐育対東京

kr22006-05-16

帝都物語/荒俣宏を読む。

仰々しいタイトルと映画化されたあのジャケットが鮮烈過ぎて敬遠していたのだけれどこれは読み始めたらおもしろい。
幕末後近代から現代にかけて紆余曲折しながら形成されてきた東京の変遷を風水や地政学陰陽師や戦争や革命や天災などの社会的イヴェントと絡めて論じるSF大作。僕は荒俣氏を日本のレム・コールハースと言ってよいと思いました。都市を舞台とした小説として極めて完成度の高い作品であり、建築や都市を学んでいる人には必読の書である。

構造

kr22006-05-05

おそらく、デザインには2つの階梯がある。ひとつはかなり精度良く論理的に説ける部分であり、もうひとつはそのうえを越える部分(もちろんここではセンスが問われるわけだが)から成り立っているはずである。世の中の多くは主にその後者をめざすあまり、前者の論理性が駆け落ちていることに気づかない盲目的なデザインに成り下がっているとみえる。
だからデザインの良し悪しとはおそらく論理の強度に他ならないと思われる。

もちろんそうでないものもあるけれど、一般的な印象としたらということ。

いつもの集まり

仙台にて酒をたらふく飲む。

人がおおらかで楽しい。酒を飲みながら話したことを半分以上覚えてないこと(内容は覚えているけど、受け答えとかその周辺について)が増えてきて、朝焼酎くさいことが度々ある。

浜森

kr22006-04-29

名古屋の設計事務所勤務のS氏と豊田市美術館へ。
すばらしきモダニズム

浜松にて秋野不矩美術館へ。
仕上げ材への執着心がものすごい。細部へのこだわりが内部仕上げから外部仕上げ、外構、地業にまであらわれていて「建築」を構成する各要素の密度を高くしたら全体ができあがったような建築。つまり全体がない。部分が集積した全体という印象。ビルディングタイプが美術館ではなくて、滞在施設などであれば部分を十分楽しめるのに。消化不良というか体験不良といったかんじでした。靴を脱いで入るあたりがまた美術館らしからぬ。

初近鉄

kr22006-04-28

夜行バスで名古屋へ。
朝一番の近鉄電車で宇治山田駅に到着。

伊勢参り

初めての伊勢は平日ということもあり人がまったくいない。自分対自然という自然信仰と関わり深い神道の聖地を体験するには絶好の環境でした。外宮(げくう)から内宮(ないくう)へはバスを使いましたが、本来なら歩いて参りたいところです。双方とも正殿をみることはできませんが、お参りをするときに眼前に垂らされた白布が風でふわっと浮いて内部を垣間見られるかんじが信仰心を煽ります。

「宮」自体の物理的な面積にくらべて圧倒的に濃い空間体験をしたような気がした理由は、例えば他の宗教施設「寺」とか「教会」とかで感じる建物に対する表象的な創意へのこだわりとは異なる表象しないことを目指すスタンスにあって、そういうのは多分偶像崇拝を禁じているイスラム教などとも通じるところがあるはずで、でもイスラム建築っていうとモスクだよねみたいな版型が出来てしまっているという矛盾点があまりないところもまたすごいところで、とにかく日本文化について考えるためには非常にすぐれた環境であると思えました。

小口

kr22006-04-20

模型を作り始めるアフター5。

きれぎれ/町田康を読む。
帯に町田節爆裂とか書かれていてまさにそのまま、爆裂。
一度くらい読んだくらいでは内容を正確に把握できないような内容だけれど、きっとこの歌のようなリズムを楽しむことが肝なんではないだろうか。あとがきで体制への構え方について太宰治と比べられておりなんとなく納得。没落志向というかそんなかんじ。最高に笑える描写多数有。