ドンとは誰のことか

「太陽の季節/石原慎太郎」を読む。1957年当時の時代を掴む著作であり、氏の代表作である。 田中康夫が80年代の青年像を描き、いとうせいこうが80年代の少年像を描いたように、ここでは50年代当時の青年像がありありと描き出されている。若大将が湘南からK…

flow

「自動巻時計の一日/田中小実昌」を読む。 まるで田中さんの一日をなぞっているような生活をしている自分に気づく。最近の建築雑誌をみていると学生時分ではうまく共有できていなかった(と今になって痛感する)環境に対するユーザ側の問題意識やそれを解決…

トロッケン・モンタージュ・バウ

「建築の生産とシステム/内田祥哉」を読む。東京大学の教授を退官する際に行われた最終講義をまとめた本。 近代以降の建築の成り立ち方を的確に、そして正確に記したものであり、建築(建設・施工)初心者にとって、建築の構成の体系的な理解を促す勝れた書…

7番レフト

今流行のセルフビルドを始めているのですが、遅々として進みません。在来は天井を剥がして構造材をむき出しにすれば空間にいい味がでるんだよ、といわれましたが、小屋組は金物だらけで開けた途端にイヤになりました。最近の世の中は、保守と革新がひっくり…

六角

近代日本の芸術運動に欠かすことの出来ない人物にまつわる美術館へ。 内藤廣設計。 PCコンクリートの小屋組によって実現された長大な桁行きとさらに長く押し出された切り妻の連続する内部風景は一見巨大でスケールアウト気味ではあるが、完璧な美しさと厳し…

神の目

期間ギリギリで森美術館へ。 杉本博司展は噂通りの質+量。一番の目玉は、海景/sea scapeである。ひたすら世界中の水平線を写した作品で、これをみているとこの作品は一体写真なのか絵画なのか具象なのか抽象なのかというように僕の頭のなかにあるはずのきっ…

以前から10+1で萌えていた三浦展氏と散歩できるとの招待を受けましたが、欠席。今回はオギュスタン・ベルク氏も参加される(というか、むしろ主賓?主催?)とのことでこれに参加しない手はないと思いましたが、断念。無念。多分、「下流社会」的に僕はLOHAS…

シームレス

今の僕は風が冷たいとか朝が暗いとかといった身体的な感覚でしか時間の流れを感じられなくなっていて、以前の僕にとって割と重要だった年の瀬とか年始とかX`masとかというイベント的意味を付与された時間的節目が確実に意味を持たなくなってきているはずなん…

多雨と

ブルーノ・タウト氏設計による日向別邸を見学。 ガイドのオジさんが熱弁を奮えばふるう程、空間があざ笑っているかのような印象を受けるプチツアー*300円。あれは建築を学んでいる人にとってはありがた迷惑なガイドではなかろうか。。保存状態は良いのか悪い…

暴走晴

房総は南国である。 シーショアが気持ちよくて、沖縄を思い出す。車窓には遠く横須賀を捉えあわよくば富士山も。列車や駅がローカルなのもまた一興。こんな突き抜けるような青空のもとで、「アジアンタムブルー/大崎善生」を読了。過去と現在や生と死など位…

暴走

初めての千葉。 東京湾の淵をなぞるように走る京葉線の風景に工業都市東京の片鱗を感じます。蘇我で乗り換えて、さらに南下。車窓はベルギーからロッテルダムに北上した時を思い起こさせるような寂れた感じ。寂しい。

熱海

なんの繋がりもないただ若いということだけが共通する8組のカップル達にお互いへの強烈な気遣いを自然に誘発するようなホスト達にもてなされ、苦笑。あの晩、まったく口をきかなくてもみんながみんな同じことを考えているだろうことを想像し、また苦笑。しか…

シナ側渋夜

オラファー・エリアソン展へ。 予備知識がないので学芸員に講釈をいただく。 近くの迎賓館で清掃員のおじさんと立ち話。 レモンで油を薄める液をこぼしてしまう。 prismic Galleryを見逃し延々青山を歩きまくる。 B&B ITALIAとか初めてみました。地図にて田…

そして土日

飲み会が終わり、フランス人やアメリカ人のファニーさに構うことのないミゾレ模様の中、研究室へ。M2の彼女を起こしてしまったが、寝袋を拝借しMeysam宅へ。夜が更けるまで話し込み寝る。相変わらずの天気だが、歩いて駅へ。Apple Storeがものすごい行列でオ…

長い週末の始まり

仕事を切り上げて新幹線に飛び乗る。毎年恒例になっている世界中の二流校を巡る祭を締める祭があるみたいであり、仙台に向かう。エストニア発シルクロード経由で日本に帰ってきた彼や、同輩などに囲まれ楽しく飲む。話は多岐に及び、建築が好きなだけにそこ…

GOパーティ

マレーシア人夫妻主催のパーティへ。 横河民輔のところにいる彼と彼女と、僕と彼女と。 工業地帯みたいな運河沿いを歩き、向かう。 アルコールのない健康的な集まりで、とても楽しかったです。ボーナスでシフトレンズを買ってティルトしたいです。

ですクワーク

毎日飲み物を自販機で買うくらいならマツキヨでコントレックスを大量購入して会社に常備したいと思います。一日一リットル。一日1000歩。今は現場がないので、あんまり動きませんが、年末にかけてあわただしくなりそうです。動くのは頭だけ。たまに太めの鉛…

最近の僕

「なんとなく、クリスタル/田中康夫」「ノーライフキング/いとうせいこう」「羊をめぐる冒険/村上春樹」等読了。 大抵、読書→散歩→仕事の3つで毎日が動いています。そのうちのほとんどは移動時間に割かれています。休日には100キロ以上移動することもよくあ…

目を瞑らないといけないことが多すぎて重苦しい思いを募らせる毎日です。説明することに対する熱意が無くなっていくのと同時に説明するための言葉も失いつつあり「絶句」を体現してしまっています。あんまりすごいようなので、月島に行こうと思います。「さ…

ハマトリ

サーカスだそうですが、あまり高揚感のないサーカスでした。ヴェンダースの「ベルリン・天使の詩」のサーカスを思い出しました。万博が「失敗することに失敗した(引用:50氏)」ように、そういう時代なのかと思いました。帰りに本屋に寄ったら、以前読んだ…

エステート

不動産屋というのは限りなく建築家に近いと思う。新しい土地で住居を探す場合、不動産屋に行き希望する条件を基にあるデータベースから情報を検索し自分にとってよい物件を探りあてるという行為をするけれど、やはり現地を訪れてみないと本当に自分にフィッ…

赤羽がおもしろい

東京の北側は南側に比べて特に面白い気がします。 河(大河?)で断絶されているからか、どうかは知りませんが、東京とその周辺の千葉埼玉とのつながりを感じさせないインディヴィジュアルな文化を感じます。このあたりの23区北端を守っている地域にとても魅…

4/4連休

鴨川からKPOまで。もうすこし日本の勉強をしようと思った旅でした。 社会人というおそらく社会で最大のカテゴリに属するようになってから、自己を確立するためにしているはずであるあらゆる意味での武装への焦点を絞ることがむずかしくて、むしろ日が経つに…

3/4連休

鶴橋へ。とにかくすごいらしいということで大阪鶴橋へ。 たしかにすごい。まるでイランのバーザールだ。夜はなんばへ。関西は私鉄がやけに発達している(ような印象を受ける)からか、東日本とは異なる都市形成がされているような気がします。近鉄難波駅は、…

2/4連休

希望ヶ丘青年の城(中島龍彦設計)に宿泊。残念ながら建物の核心部であるタワーに入ることはできませんでしたが、60年代のメタボリズムの雰囲気を経験したと思います。タワーを中心にコの字に展開された低層(3階)部分は、段差をつけて適度な大きさに空間を…

1/4連休

遅めの黄金週間の訪れ。格安夜行バスで京都へ。 朝陽と微風が心地よく、本願寺までひとまずぶらり。京都は街路や区割りが整然としているせいか人まで凛としていて、鴨川沿いに発生する割と現代的なカップルすら京都に不可欠な要素として愛おしく感じます。

感謝しています

今から6年前に鮮烈な対面をした僕にとっての初めての本物の建築家。である元ボスから本を頂戴しました。ありがとうございます。 「白井晟一空間読解」。 姿勢を正して読みたいと思います。早速ですが、銀座でみたあのビルはやはり白井晟一による親和銀行東京…

経済的な問題と建築

建築をつくることよりも、生活をしていくことをリアルに感じたいと思いますし、そういう生活を成り立たせている基盤についてもっと詳しく知りたいというところに私の興味の対象は移ってきていたようです。レムコールハースの講演会を聞いてそんな風に気づか…

蝉全盛

街道を抜けるちょうど手前にある大きな木の下を最大音量としてマチ全体が蝉に鳴かれている鎌倉に行って来ました。時間の都合上、神奈川県立近代美術館しか見られませんでしたが、噂に違わぬ建築でやはり池との関係を重視した1階回廊部がとても心地よい場所で…

オータシジョー

「松井がすごいらしい」とか「TXとかいうテレビみたいな名前の電車が通ったらしい」とか一見遠洋漁業から帰ってきた風な容姿と言動を伴う一軍がどんどん乗ってきて休日にしてはすごい乗車率のバスの雰囲気は全然悪くなくて、田中小実昌のライフワークだった…